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2021年7月22日 (木)

広告コピーシリーズ「寿司店めぐり」6

東京 三ノ輪 かっぱ寿司
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三ノ輪の感覚主義

 

さっきまで生け簀の底で活きていた平目である。四五十センチの天然物で、俎板にのっている野性味溢れる姿がつややかでいかにも美しい。
その肌をなでるように腕を小刻みに動かして少しずつ鱗を引く。そして中骨に沿って包丁を入れ丁寧に骨を切り離し・・・やがて、肉厚の薄飴色をした見事な白身が現れる。
「新橋で店を開いていた親父が、小学生時分になくなって、母の実家のある浅草にほど近いここ三ノ輪に移ってきたのがかれこれ三十年前、十四五の頃には、当時叔父がやってた店を手伝っていました」学校から帰ると板場に入っていたというのである。
この少年はまもなく筑地で修行を積み叔父さんが別に店を開いたのをしおに、戻ってきた。ご主人の宮内昭治さんである。
あまり詳しく言わないが、素材を見る目は厳しく、徹底的に吟味されている。
「江戸前のしんこというのは親指の先ぐらいのを言うんでね、うちではだから二尾使わないと握れないんです」。
漬けなども、まわりを霜降りにしたきれいな赤身で、脂がのったおいしい握りである。厳選された全国の地酒も専用冷蔵庫に保管されている。地元の人はもちろんだが、遠くから通う常連さんも多いという。皆、口コミで知るらしい。
特別のメニューに鯛鍋がある。刺身用の天然鯛をまるごと使う豪勢な鍋だが、一人の時はカウンターで小鍋立ての鯛シャブも出来るという。それらの素材に対する鋭い感覚はおそらく血筋であろう。

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