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2021年7月21日 (水)

広告コピーシリーズ「寿司店めぐり」5

千葉・市川 寿司会館 林屋
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真間の煮蛤

明治七年、市川の海辺に続く松林の中で創業したと言うから、その暖簾はすでに一世紀を超えている。この辺りは、万葉に歌われた美女、真間手児奈の伝説があるように、古くから開けたところである。江戸の頃は裕福な商人が別宅を構えた粋な土地柄で、高い樹木や黒板塀に見越しの松というしっとりと落ち着いた町並みが、往時の風情をほのかに感じさせてくれる。
お店は千葉街道から少し入った静かな一角にあるのだが、元々成田詣での往来に面して間口十七間と言う大店で寿司割烹を商っていたところ、戦時中に戦車を通す拡張工事で移転を強制されたものという。
西山栄一さんは四代目の当主である。「長男ですから、いやも応もないですよ。気が付いたら包丁を握っていました」以来、そのキャリアは四十年を超える。毎朝筑地と船橋の両方の市場に目配りをしていいものを仕込む。地元であがったものを大事にと考えているが、特に蛤は江戸前に限るそうで、この煮蛤の握りをあてに遠くからもお馴染みさんがやってくるという。見慣れているものよりは少し小振りの蛤だが、その柔らかさ、淡く香気立つ秀麗な味わいは、包丁さばきや下ごしらえがむずかしいネタだけに、その素材選びの眼識や煮含ませの技術の高さをうかがわせる。
蛤に限らず手間を惜しまないで丁寧にこしらえると言うのがこちらの身上で、酒を飲む間もないくらい、とにかく寿司が旨い。やはり、目には見えないが、百年の伝統を握り込んでいるのであろうか?

 

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