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2013年10月21日 (月)

江戸懐石「花汀」(神田須田町)広告コピーシリーズ5

昔(1994年~98年ごろまで)、書いたコピーを掘り出して載っける「広告コピーシリーズ」


江戸懐石 「花汀」

万世橋駅前に、広瀬中佐の銅像が建っている。それは仰ぎ見るような大きなもので、足下にはむろん杉野兵曹長がすわっている。どこから撮ったものか視点の高い写真で、神田消防署の火の見櫓の奥には聖橋と御茶ノ水駅がはっきり写っている。うっすらと雪をしいた広場に面して「旭楼」の看板が見えるが、この建物こそ現在と同じ場所に建つ震災前のお店の姿である。

その後、銅像の行方は不明だというからこの古い写真は貴重な記録でもある。

創業は明治初期、ここ須田町界隈に数多く残っている老舗の中でも特に古い方だ。現在の建物は昭和五十七年にホテルと懐石料理のお店に改築したものである。秋葉原の喧噪と隣り合わせのところだが、江戸懐石を味わうのにふさわしく、この一角だけは時の流れに取り残されたような静かさを感じる。

「江戸料理といっても、現代では明確にこれがそうだとは言い切れないものが多いですね」と調理長の川口則人さんは言う。関東の流儀を学んできたが、むしろお客の嗜好に合わせながら、新しいものを積極的に取り入れる姿勢の方が大事だと考えている。

オクラという洋菜を使ったすり流しなどに、端的にそれは表現されている。また、色合いの美しい空豆の茶巾絞りは、口に入れるとクリーム状のあっさりしたチーズが舌にからんでくるという趣向である。

こうした料理こそ、様々の会合で集まるご婦人たちや社用で訪れる人たちの歓迎するところなのかも知れない。一方で、鰻の八幡巻きや蟹の博多蒸しなどの伝統的なものも忘れない献立はいかにも年輪を刻んだ落ち着きと、ほのかな江戸情緒さえ感じさせる。この技と感覚を伝える若い人には「叱られても我慢して聞きなさい。いつか必ず自分のためになるのだから」といっているという。四十年前に自身が経験した実感なのだろう。

Hanatei

ヒゲタ醤油「本膳」


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