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2013年10月20日 (日)

なだ万(シェラトンホテル)「広告コピーシリーズ」4

昔(1994年~98年ごろまで)、書いたコピーを掘り出して載っける「広告コピーシリーズ」

なだ万(シェラトンホテル)

遥か水平線の上にかすかに都会のシルエットを刻んで、かたむきかけた冬の陽が空を染めている。このもの憂い時刻、加州の探偵が酒には早すぎるといったことを思いだしたが、海浜リゾートとはいえ棕櫚の並木が寒そうで、別の感興がわいてくる。

広々とあけたロビーを左に進むと庭につきだしたようにお店があった。暖簾の先が、この大きなホテルの中でわずかに作られた日本的な空間で、お座敷にテーブル席、寿司、天ぷら、鉄板焼きのカウンターという構成が、アーバンリゾートを楽しむ宿泊客に全方位で対応している。

五年前から厨房を率いてきたのは、内山勉調理長。なだ万は十五年になるが、大阪の名門を皮切りに各地で修行、ドイツにいたこともあるというユニークなキャリアの持ち主である。日本料理の基本はしっかりと守るが、相手や環境の変化に応じて素材や調理法を柔軟に変えるという態度は、こうした経験の中で自然に身についたものであろう。

例えば、写真の料理の中でも、菜の花とマスカットの辛子和えという不思議な取り合わせ、ホワイトソースを和風にアレンジし、それをベースにした柚釜などに端的にあらわれている。かと思えば、湯引きして甘味を出した車海老や肝を添えたおこぜなど基本的な鱠も用意する。デザートやベーカリーなど興味が向かうところは広く、それというのも、増えてくる若い世代の味覚に応えていくには、伝統の上に重ねるべき一工夫が必要だという考えからである。若者と日本料理、新たなテーマを教えられた。

最後に、笹でまいたものが気になる人のために。やがらという頭が竜の落とし子で胴が鱧のような魚の寿司である。昆布締めした透明感のある白身は、平目よりも歯ごたえがあって品良く美味である。

Photo
ヒゲタ醤油「本膳」

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