2023年11月30日 (木)
youtubeにアップ。
フランス語で歌っている部分の翻訳を試みました。
Ces mots charge de romance
"Comme un printemps qui SouritC'est un amour qui CommenceDans le printemps de Paris”
Paris qui n'est a Personne
Est a toi si tu le...
2023年11月28日 (火)
劇評「クリスマスキャロル」(02年)劇団昴
毎年恒例の公演だということだが、何度かみているというつれあいにさそわれていい年をしてと思ったが、はじめてみた。 音楽劇に仕上げてあって、担当した上田亨は手慣れた様子でこの話に、曲想や演奏、タイミングという点で過不足のない、いい曲を書いていた。 問題は脚本で、全体に甘い。 スクルージが冷酷でけちで、不信心のひねくれもの、情というものをいっさい解さないという男であればあるほど、この話は面白くなる。つま...
2023年11月21日 (火)
劇評「蜘蛛女のキス」(05年)
ウイリアム・ハートがアカデミー賞(主演男優)をとった映画で知っていた。20年以上も前の作品だ。たまにテレビで彼がそれらしい格好ででているのを見かけて、なるほど当時いろいろあった賞を総なめにした「演技」だわいと感心した。感心しただけで、まともに見てはいない。同性愛ものは嫌いだからだ。
これだけ長い年月のうちに、たくさん情報が入ってきたからだいたいの話は知っている。マヌエル・プレグの原作も評判だ...
2023年11月16日 (木)
劇評「民衆の敵」(06年)燐光群
イプセン没後百年だそうだ。この間はチェーホフの百周忌があったばかりで、そこら中チェーホフだった。ノルウェー政府が世界中に呼びかけているというから、今度はイプセンだらけになるかも知れない。なにしろ近代演劇の創始者だ。ノラのファンも多いことだろう。ただし、坂手洋二はノルウェー政府の話を知らなかったという。この前の「上演されなかった三人姉妹」はかなり政治を意識した作品(モスクワのゲリラによる劇場占拠事...
2023年11月 9日 (木)
劇評 ミュージカル「異国の丘」(03年)劇団四季
「ミュージカルは嫌いだ」とタモリが常々いっている。突然歌いだすのが気味が悪いというのだが、あれは対応のしようがないことに内心照れているのである。日本人の習慣にしゃべりながら自然にメロディがついて言葉が音楽になると言うことはない。英語なら抑揚を極端にすれば音楽になる、というのは中学生でもわかる。タモリは、無理して外国人のまねをやっているようなものだから「不自然だ。だから気持ちが悪い。」といってい...
2023年11月 3日 (金)
劇評「その場しのぎの男たち」(03年)作 三谷幸喜(東京ヴォードヴィルショ−)
創立三十周年だそうである。確かこの劇団初期の頃に見たことがあった。大勢が舞台でどたばたしている喜劇だったと思うが、あとのことはきれいさっぱり忘れた。その頃東京乾電池も評判で、こちらも見たような記憶がある。佐藤B作も柄本明も自由劇場からトンズラこいた(と柄本がパンフレットで言っている)連中だった。柄本が、乾電池の旗揚げ公演を見にきた吉田日出子に会うと一言「バカ!」といわれたという。ボォーという寝起...
劇評「袖振り合うも」(03年)
短いプロットを暗転で繋いでいくやり方は映像作品のもので、いかにも山内久らしいと思ってみていたら、あとになってこれは平成十二年NHK土曜ドラマで放送された脚本を舞台に上げたものだと分かった。無論見てはいない。これだけではなく、もう何年もテレビドラマというものを見たことが無い。なぜ見ないかは疲れるから言いたくない。最近、週刊誌の見出しで知ったが、倉本聰と山田太一が「この国のテレビドラマは、もうおしま...
2023年10月29日 (日)
劇評「デモクラシー」(05年)
だいぶ前からテレビで大宣伝をしていたから話題作に違いないと漠然と思っていた。面白そうだが、こう言うのに限って内容は存外ヒドイのが多い。
分厚いパンフレットの最初のページを開くと自信なさ気な若い顔が現れた。ホリプロの社長とあるから二代目なのだろう。対するページにはテレビ東京の社長の顔がある。やれやれ、こう露骨にプロデューサー殿が出張ってきては芝居が嘘臭く見えてくる。宣伝文句も「26年ぶり舞台共演...
劇評「その河を越えて、五月」」(02年初演)
(再演の劇評は上げてあったが、初演の劇評は移してなかったので)
この作品は、2002年舞台芸術賞〈朝日新聞主催、テレビ朝日共催〉グランプリを受賞した。(1月発表〉サッカーワールドカップの年にふさわしい配慮かもしれないが、グランプリはともかく、等身大の韓国と日本の交流を穏やかに描いた佳品として、十分評価できる。まずはプロデューサー栗山民也の手柄であろう。設定がいい。ソウルの街中を流れる漢口の河原で...
2023年10月28日 (土)
劇評「世紀末のカーニバル」(04年)地人会
この間、宮城県沖地震の時浅野知事が不在で問題になった。ブラジル移民80年とかの行事に招かれて地球の裏側にいたのだ。こんなことで責任追及しようというのは卑しい根性である。地震は知事なぞの人格や行動にかかわらずいつでも起きる。そんなときほど役人連中など当てにならないと心得たほうがいい。いかなる天変地異も起きうるのだから自分がどう対処するか、肝心なことは普段の覚悟の問題である。
いや地震は本題...
2023年10月26日 (木)
劇評「胎内」(04年)三好十郎
一組の男女とひとりの男が洞窟に閉じこめられる。洞窟は胎内の喩えであろう。とすればこの三人は何か?花岡金吾(千葉哲也)は闇成り金のブローカー、汚職にからんで官憲に追われ情婦の村子(秋山菜津子)とともに温泉地を転々と逃げている。雨宿りではいった洞窟は、戦時中陸軍が立てこもるつもりで掘った横穴で、追っ手から隠れるのに都合が良かった。持ち込んだスーツケースとボストンバッグには酒と食料がある。村子は元ダン...
劇評「線の向こう側」(04年)
大きくて頑丈そうな木製のベッドが舞台中央を占めている。年代物のキルティングのカバーが蔽っていてそれだけが妙になまめかしい。上手のブリキの壁には流しとコンロがくっついていて狭いが調理は出来そうだ。その手前にスチール製の棚があって、ファイルやら段ボールが置いてあり上に明りとりが小さく開いている。下手には同じような棚があって、脇に出入り口、板壁を隔てて奥にトイレがある。亀裂が走り修理の跡が見える正面の...
2023年10月24日 (火)
劇評「スキップ」(04年)キャラメルボックス
キャラメルボックスは去年に続いて二度目だ。大変テンポがよく、見ていて気持ちがいい舞台だった。同名小説を成井豊が翻案したものだが、朗読が多用されているのは原作をそのまま採用しているのだろう。文章の筋が素直で、それがいい効果を上げている。映画ではよく使われる手法だが、内面を描写したり物語を進行させたり実に説得力がある。
十七才の高校性、一ノ瀬真理子(岡内美喜子)がある朝目覚めると四十二才の自分...
2023年10月23日 (月)
劇評「「屋上庭園」「動員挿話」」(05年初演)
岸田国士の短い作品を二つ選んで、一つの公演にしたものだ。なぜこの二つなのかはわからない。岸田国士がどんな作家だったか理解できると思ったのか?とすれば、この「習作(エチュード)」のようなものと「挿話(エピソード)」ではいささか不満ではある。
「屋上庭園」はちょうど演劇学校の稽古用の台本として適当ではないか。せいぜい四十分という長さ、それに、登場人物が4人で状況はシンプル、俳優が内面を素直に表現す...
劇評「友達」(04年)安部公房
この作品は、昭和四十二年青年座初演である。僕はこの奇妙な芝居の評判を新聞で見たのを覚えている。ある日突然独り者のアパートへ八人もの家族が訪ねてきて居座ってしまう話ときいた。そのころ、田舎の高校生(浪人か?)だった僕には、都会とはそんな闖入者があっても不思議ではないところというイメージがあった。東京オリンピックが終わり高度成長が始まっていた。翌年出た羽仁五郎の「都市の論理」が何故か売れに売れた。「...
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